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受け手がコミュニケーションの主導権を握っているのは神経細胞も同じらしい。

前回も紹介した『海馬―脳は疲れない (新潮文庫)』から。

(参考)やる気と習慣について本で読んで知ったことをさらっとまとめてみる。

 

脳にある海馬の神経細胞について興味深い研究が紹介されていた。

AとBのふたつの神経細胞があったとき、AがBに向けて神経の道路を伸ばしてBがそれを受け入れることでお互いがつながるとする。

ふたつの神経細胞がつながると脳の回路が増えるので記憶の定着や生成ができるようになる。

 

さて、ここにCという別の神経細胞を置いてみる。

するとどうなるか。

AはもともとBと結びつくようにできているので、Cは無視してやはりBと結びつく。

ここまでは問題ない。

では別のケースで、A・B・Bと用意してみたらどうなるか。

Aの横にまったく同じクローンのようなBをふたつ置くのである。

結果、Aは両方のBに等しく結びつく。

AはふたりのB、もとい、ふたつのBと仲良く関係を持つのであった。

 

 

次に、既に結びつきが完成しているAとBの横に新たなBを配置してみることにする。

良好な関係のAとBの近くに、今つながっているBと同じように魅力的なBが現れたのである。

するとどうなるか。

結果、Aは現在のBとのつながりを維持しつつ新たなBとつながりを形成する。

AはBがいたらいくつでも手を出したくなってしまうサガなのだ。

 

 

最後に、既に結びつきが完成しているAとBの横に新たなAを配置してみることにする。

Bがいたら積極的に結びつきをつくろうとするAであるが、つながりを略奪してしまうのであろうか。

結果、新たなAは既に結びつきが完成しているAとBに割って入ることはしなかった。

 

この本の共同作者であり脳科学者の池谷裕二教授によると、海馬の神経細胞のつながりのカギを握っているのは、受け手であるBなのだと結論づけている。

BがAのアプローチを受け取る決意をすればふたつの間に神経回路が結ばれる。

だがケース4ではBは新たなAのアプローチを受けなかった。

神経回路におけるコミュニケーションは受け手がイニシアチブを握っているのである。

 

だがこれは、神経細胞のようなミクロの世界だけの話ではない。

上記の例が、人間の、特に男女の関係性に大変よく似ていると思わなかっただろうか。

脳の神経細胞の話をしているはずが、紛らわしいほどに人間関係と合致していて自分で面白くなってきたほどである。

 

ある二者間に発生するコミュニケーションは、その二者が送り手と受け手のどちらかのポジションを取ることにより発生する。

そして受け手が送り手のアプローチを受ける意志を持ったときにはじめてやり取りが成り立つことになる。

受けてもらえてこそ、なのである。

僕はこの本で改めてこの事実を認識することになり、コミュニケーションの真理に近づいた嬉しさを得られたのであるが、それと同時にどこか切なさも感じずにはいられなかった。

 

今日はこれでおしまい。

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